千草竹原の魅力、域学連携への期待

千草竹原(ちくさ たけはら)は、淡路島の中央部・洲本市にある小さな集落です。

豊かな自然に囲まれ、過疎化や高齢化などの課題を抱えながらも、新たなチャレンジを続ける住民がいます。長年、域学連携(地域と大学が協働で行う取り組み)に関わりながら地域づくりを行ってきたことが特徴の1つである竹原集落。

そこで今回、長く住み続ける方、移住してきた方、それぞれが感じる千草竹原の魅力と、域学連携への期待を伺いました。

目次

地域を守る二人の視点――水田 進さん・太田 明広さん

千草竹原の魅力

まずは生まれ育った土地を守り続ける水田進(みずた すすむ)さんと、婿養子として同地域に入り、農業や畜産に携わる太田明広(おおた あきひろ)さんにお話を伺いました。

共通して挙げられた魅力は、「ネット環境が整っている静かな環境」だということ。近年の集落ではインターネットが使えないケースも多い中、ここは意外にもインフラが整っているそうです。さらに、のどかな自然に囲まれキャンプができる場所もあるため、新しい活動を試しやすいといいます。

「ITの不便さが少なく、静かなので、リモートワークにも向いていると思いますね。自然豊かでリフレッシュしやすいのも大きいです」(水田さん)

「ここは見た目こそ山深いんだけど、街までは車で15分ほど。静かだけど意外と便利なんです。町の喧騒から逃れたい人にはピッタリやと思いますよ」(太田さん)

域学連携への期待

地域と大学がタッグを組む域学連携への思いは、「活動を楽しんでほしい」「広報の拡大につながってほしい」というもの。今後も、学生が現地を訪れて続けていくことで、集落の知名度が高まり、ひいては人の流れや新たなアイデアも生まれると期待しています。

「SNSで情報発信してくれるのも嬉しいし、学生さんたちのフットワークには驚かされっぱなし。せっかく来てくれるんやから、“義務”じゃなく“楽しんでる”っていう気持ちでやってほしいね。そしたら自然と続いていくと思うんです」(水田さん)

卒業後も遊びに来てくれたら、ほんまに嬉しいですよ。今の若い人の発想力なら、まだまだ新しいことができるはず(水田さん)

学生さんがフィールドワークに来てくれるのはありがたいです。ここで何か面白いこと見つけてくれたら、また来ようって思ってもらえるし、そうやって活動が続いていけば広報にもなる。いろんな大学と連携するなかで、こっちも学ぶことは多いですよ(太田さん)


新しい風を吹き込む移住者の視点――小林 力さん・谷口 史朗さん

谷口家(左)・小林家(右)・ÉPiSPa鷲田さん(左手前)

千草竹原の魅力

一方、他地域から移住してきたのが、小林力(こばやし りき)さん谷口史朗(たにぐち ふみお)さんです。小林さんはITの仕事を活かしながら、谷口さんは原木椎茸農園を手がけながら、それぞれ地域での活動を続けています。

「移住のタイミングで何かを始めたい人にとって、非常に始めやすい環境があると思います。空き家の活用も進めやすいし、地域の皆さんの理解や協力があるのもありがたいですね」(小林さん)

「コミュニケーションが取りやすいのが最大の魅力。何か新しいことをやりたいと思っても、周りと合意形成がスッとできるし、移住者でも意見を言いやすいんです。いろいろ相談しながら“試しにやってみよう”という空気があるのは、他の地域に比べても圧倒的にやりやすいと思います」(谷口さん)

域学連携への期待

移住者として地域に溶け込みながらも、学生との協働については「新しい発想」に期待を寄せています。

「今までのやり方に囚われない新しい取り組みが増えると面白いですね。外から来る学生が自由な発想で『こんなことをやってみたい』と提案してくれるのを楽しみにしています」(小林さん)

「まずは遊ぶ感覚で、何でもトライしてほしい。そして地域のためだけじゃなく、自分たち(学生)が『これ面白そう!』と感じたら実際にやってみる――そういう場に千草竹原を使ってもらえればいいな、と思います」(谷口さん)


■ おわりに

☆ここに学生からの総括があるといいですね。

(サンプル)

インターネット環境が整った静かで自然豊かな土地に、新しいアイデアを求める受け皿がある――

これこそが千草竹原の大きな魅力です。地元住民も移住者も、学生たちが地域に入り、楽しみながら取り組みを続けることで、「ずっと活動が続いていってほしい」と口をそろえています。

「まだ何もない」からこそ「何でもできる」――そんなポジティブな声が集まる千草竹原。

ここでの域学連携は、学生自身の学びや成長はもちろんのこと、集落の未来を形づくる大きな可能性をも秘めています。

まとめ

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氏名千草竹原の魅力域学連携への期待
水田 進(みずた すすむ) さん
太田 明広(おおた あきひろ)さん
・ネット環境が整っている
・静かな環境
・キャンプができる場所がある
・活動を楽しんでほしい
・域学連携事業による広報拡大
・来訪を継続し、活動をずっと続けてほしい
小林 力(こばやし りき)さん・移住をきっかけに新しいことを始めやすい環境・既存の活動にとらわれず、新しい取り組みや視点を持った活動をしてほしい
谷口 史朗(たにぐち ふみお)さん・地域住民間でコミュニケーションを取りやすい
・合意形成がしやすい
・移住者でも言いやすい空気感
・他地域と比べ新しいことを始めやすい
・たくさん遊んでほしい
・「面白そう」と思ったことを行動に移せる場にしてほしい
・地域のためだけでなく、学生自身のやりたいことを実現し、面白いと感じられる場にしてほしい

(取材日:2024年10月19日 小林さん、10月20日 水田さん・太田さん、11月6日 谷口さん)

龍谷大学学生取材ドキュメント

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